墓地やお墓の問題を弁護士に相談することの難しさ平成29年6月8日更新

 

今まで墓地やお墓に関する深刻な相談をいくつかお受けしました。

一番大変だった相談は1年以上継続し、メールのやり取りも100往復近くなりました。

相談はメールに限らせて頂いていて、電話番号もHPから削除しました。

 

私は物事をじっくり考えるタイプなんで、相対や電話で重要なやり取りをするのが得意ではないのです。

 

住職、話すのが得意じゃあないんじゃ檀家さんとの応対に困るでしょう。

( ̄∇ ̄;)それは大丈夫です。

たいていの相談は、例えば「古い位牌がいっぱいで、新しい位牌が仏壇に入らないがどうしたら良いでしょう?」等の簡単な相談だからです。

職業柄、当然世間話に毛が生えた程度の話は得意中の得意ですから。

 

檀家様からも、もちろん深刻な相談はあります。(ほんの少しですが)

その場合は、お電話でだいたいの内容をお聞きし、面談の時間を予約し(PCでスケジュール管理をしています)、1回1時間で相対(関係者の同席はむしろお奨めしています)でしか相談に応じません。

内容によっては、数回に及ぶこともあります。

 

檀家様の場合は、住職として当然のサービスになりますので、どんなに大変でもお引き受けいたします。

もちろん無料です。

なぜなら護持会会員として、普段から高庵寺の護持をして頂いているからです。

 

寺院護持会についてはこれらの過去ログで一度書きました。

寺院護持会ってなに? 知っているようで知らない護持会平成26年9月22日更新

 

寺院護持会の会費を払っている住職は知りませんが 私物化している住職は知っています平成28年10月23日更新

 

深刻な相談の場合は、法律問題も絡んでくる場合も多いですし、カウンセリング的な内容は必ずと言っていいくらい入ってきます。

法律に関する部分は、法令(法律や条例等)を読み込む準備が必要ですし、判例も可能な限り調べます。

ということで、1回目はカウンセリング的な手法で主訴(相談者が真に相談したいこと)をお聞きして、2回目以降で具体的な回答をすることが普通です。

 

カウンセリングは医療行為としてでなければ、無資格で可能です。

料金を取ることで問題になるのは税法に関する部分だけです。

 

法律的な相談を有料で行えば、弁護士法等に違反します。

もちろん、税法上も問題が起こる可能性が高いです。

 

はっきり書くと、葬儀をお引き受けするのより遥かに大変なんです。

 

檀家の方以外の相談は完全にボランティアです。

自己研鑽と仏教者として当然のこととして行っています。

これまたはっきり書くと、相談者のためではなく、私自身の仏道修行として行っています。

 

メールでの相談に限らせて頂いている最大の理由は、メールならば自分の自由な時間に回答できるからです。

 

今回の相談も一部母の葬儀にかぶってしまいました。

お寺の葬式って 大変なんです平成29年6月6日更新

そのため、1回だけ回答が数日かかりました。

 

この期間にも営業の電話がありました。

「0120」でかかってくる電話は全て通話拒否なんで比較的被害は少ないんですが、携帯からの電話に切り替える営業もいるんですよねえ(-。−;)

さすがに応対が下品になりましたねえ。(すいません、修業ができてないんです)

いつもはスマートに断るんですが。

営業の時間泥棒には本当に困るんですが、固定電話で法人用の電話ですからしょうがないんでしょうねえ(_-;)

 

さて前置きが長くなりましたが本題です。

墓地問題に詳しい弁護士は皆無に近い」についてです。

 

この問題は過去ログでなんども書きました。

「墓地問題に詳しい弁護士」でサイト内検索をして、最上位の過去ログです。

村落共同墓地にお墓があるが今の菩提寺の檀家を止めたい平成28年5月31日更新

 

一部再掲します。

「墓地管理者が菩提寺の住職の場合はトラブルになる可能性が高いです。

法律上は住職になんの権利も無いんですが…。

寺墓地と同じだと勘違いしている僧侶も多いですからねえ。

弁護士へ依頼すれば簡単に解決しますが…。

弁護士の費用は言い値なんで、場合によっては何十万円、100万円以上かかることもあります。

だいいち墓地問題に詳しい弁護士はほとんどいません。

 

ということで、離檀料が20万円までならば黙って支払うことをお奨めします。

それ以上は微妙ですが、50万円くらいまでならば気持ちの問題は別として支払う方が得策です。

メールでの相談でも弁護士を依頼して戦う人は少ないですねえ。

個人的には不当な要求に屈せず戦って欲しいんですが。」

 

今回の相談も祭祀の承継に関する内容がメインでした。

もちろん相談内容は一切公開できません。

ただし弁護士に関する部分は公開を了承して頂きました。

 

なんども過去ログで書きましたが、基本のお墓の権利です。

お墓の権利の基本です 次の2つで構成されます平成26年1月10日更新

お墓の権利は、次の2つで構成されます。

1、お墓の土地の使用権

2、墳墓(土地以外の墓石、遺骨等全て)の所有権

この2つの権利を、同一の人が単独で所有します。

 

次にお墓の相続についてです。

祭祀の生前承継について平成27年2月25日更新

第897条  系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

 

お墓も相続財産なんですが、お金等と条項が違います。

お金等は民法896条になります。

第896条(相続の一般的効力)

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

 

この基本を分かってない弁護士がゴロゴロいるんですよヽ(゚〜゚o)

相談者のメールの一部を公開致します。

墓地の使用権の承継は相続財産ではないと弁護士に言われた

公証役場の方は墓地も相続財産に入ると言っておりました

 

上記の法令から明らかです。

公証役場の方が正解です。

弁護士(5人の方に相談されたそうです)は全員不正解です。

 

もう1か所。

承継は相続財産ではないので、お墓の価値によって承継しない

相続人が半分の価値分を金銭でよこせなどという話にはならない

 

この点については合っているんですが…。

民法896条の相続財産とは、一般的に「金銭に換算できるもの」です。

法律用語では「一般経済価額」と言っています。

 

相続人が半分の価値分を金銭でよこせ」、これは文句なしにダメです。

ということで、この部分は完全に正解です。(弁護士さんに素人が正解不正解を書くのは失礼なんですが…)

 

承継は相続財産ではない」この部分は完全に間違いです。

 

相続財産は「一般的に金銭に換算できるもの」ですが、一般的にとあります。

よく問題になるのが、故人が集めていた書画・骨董等です。

たいていの場合は「一般経済価額」として問題になることはありません。

専門家に鑑定してもらって10万円の評価額ということになれば、厳密には税務署に申告する必要があります。

税務署が摘発したという話も聞いたことはありません。

鑑定料もかかりますからねえ。

税務署が問題にするのは、数百万円、数千万円単位のものだけです。

誰もが知っているような有名なものでなければ、普通それまでです。

だいたい、相続する方が故人の形見分けのつもりでもらっていても、「一般経済価額」を知らない場合が多いですからねえ。

 

墓地やお墓が「一般経済価額」が無いのは明白ですね。

墓石など、今買えば数億円の墓石も、ある所には普通にあります。

相続(正確には承継)した人が、墓終いをして、墓石を売ろうとしても、買う方はまずいません。

墓石の中古品の売買は聞いたことがありませんから。

 

墓地の相続 血縁者でないとできないの?平成24年2月24日更新

けっこう昔のブログで書いてましたねえ。

 

親が死んだ。

そうだ、永代使用権、1000万円で売ろう。

誘惑にかられますね。

できません。(普通は)

 

改葬に離檀料は必要ありません平成28年12月20日更新

この過去ログで具体的な金額を書きました。(この過去ログ閲覧が少ないんですよねえ、良いブログなのに)

 

申込
区分

霊園・種別

使用料

年間管理料

多磨霊園
一般埋蔵施設(1.75〜5.90平方メートル)

1,538,250〜5,186,100

1,220〜3,660

小平霊園
一般埋蔵施設(1.80〜6.00平方メートル)

1,450,800〜4,836,000

1,220〜3,660

小平霊園
小型芝生埋蔵施設(2.00平方メートル)

1,720,000

1,620

八王子霊園
芝生埋蔵施設(4.00平方メートル)

1,124,000

3,240

八柱霊園
一般埋蔵施設(1.75〜5.90平方メートル)

337,750〜1,138,700

1,220〜3,660

青山霊園
一般埋蔵施設(1.55〜3.70平方メートル)

4,206,700〜10,041,800

1,220〜2,440

谷中霊園
一般埋蔵施設(1.60〜1.90平方メートル)

2,688,000〜3,192,000

1,220

 

永代使用権を普通は売れないのは「民民の契約」だからです。

法律で決まっているわけではありません。

関係あるとすればこの部分です。

 

墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年五月三十一日法律第四十八号)

第一条  この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。

 

公営霊園も含め、墓地の経営者は、勝手に使用権を売買されたら経営があがったりだから、各々の墓地管理規則で明確にダメと書いてあるはずです。

ちなみに高庵寺の場合です。

高庵寺墓地管理規則

(普通墓地使用の承継)

第9条

墓地使用者が死亡等により変更の必要があるときは、直ちに管理者に届け出て、その承認を得なければならない。ただし、承継者は当寺の檀徒及び信徒に限り、祖先の祭祀承継者とする。

2 墓地使用者は、墓地を第三者に譲渡または転貸できない

 

ちなみに、過去ログでも書きました。

墓地埋葬・改葬・葬儀に関する法的根拠 典礼権について平成29年6月2日再々更新

「黙示の合意」(ようするに明文化されてない昔からの慣習)では通用しない時代になりました。

全国の住職のみなさん、ちゃんと墓地管理規則は正規の手続きを経て、定めておきましょうね。

 

少し寄り道が過ぎました、本論に戻ります。

承継は相続財産ではない」この部分は完全に間違いなのは分かりましたか?

「一般経済価額」はありませんが、民法897条を正しく読めば分かるように相続財産です。

ただし普通の相続財産と異なる点がいっぱいあるんで、別建ての民法897条になっています。

 

詳細な説明はこちらの過去ログです。

相続放棄をした場合でも お墓の権利は相続できます平成24年1月2日更新

 

最後に相談者の慨嘆です。

今日別の件でも弁護士に意見を聞いたのですが、

○○について聞いたのですが、弁護士によっていうことが全然違いますね。

法律は1つのはずなのですが・・・・

 

うーん、法律は1つなんですが、解釈は無数にあるんです。

だから弁護士という職業が成り立つんですよねえ。

 

弁護士に墓地問題に詳しい方が皆無に近いのは儲からないからです。

過払い金訴訟で有名な「○○法律事務所」、代表弁護士の方が商売上手なのは業界では有名ですからねえ。

ボッタくりとボッタくり価格違います平成29年5月27日更新

 

墓地問題はカモお客さんがたくさん集まってくる営業種目じゃ無いですからなあ・・・( ̄  ̄;)

 

ここでブログは終わる予定だったんですが…。

相談者の方から、驚くべきメールを頂きました。

相談者は素人ですから法律用語は分かりません。

その部分を直してご紹介します。

 

宗教法人(相談者はちなみにお寺としていました)は収支計算書を責任役員(これも檀家総代としていました)に報告する義務があると法律に書いてあると住職さんにお聞きしました。

どの法律か検索しても分からないので、弁護士さんにお聞きしたのですが分かりませんでした。

教えて頂けますか。

 

||||||||||||||(* ̄ロ ̄)||||||||||||||||

墓地問題では基本中の基本の宗教法人法です。

詳しくはこちらです。

宗教法人の会計処理 高庵寺は株式会社並みの会計処理をしています平成26年8月15日更新

 

公営霊園で墓地問題を聞いたことがありません。

民間霊園も経営主体はたいてい宗教法人です。

弁護士さんって、宗教法人法も良く知らないで、墓地問題の相談に応じるんですねえ(-- )

 

説明: 説明: D:\Documents\ホームページ\new kouanji home\sub11\b_ani010.gif

 

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平成26年3月31日を以て全ての整備工事が竣工いたしました。

今後数十年間に亘り、寄付の要請は一切ありません。

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