過去帳が税務調査の準備書類? 人権侵害ですよ平成29年6月10日更新

 

高庵寺は曹洞宗寺院です。

ということで、曹洞宗の過去帳の取り扱いに関する基本スタンスからご紹介します。

http://www.sotozen-net.or.jp/column/jinken-forum-2014-6.html

もちろん、他宗派でも同じですよ。

 

上記の中に「「過去帳」等の(住職以外の)閲覧は全て禁止」とあります。

曹洞宗の研修会で、「では副住職は閲覧できないんですか?」の質問がありました。

(-。−;)講師の方も含め僧侶の方の認識です。

 

住職不在の折、副住職が過去帳を閲覧できないと仕事に重大な支障がでます。

副住職は、住職の代理または代行として過去帳を閲覧します。

代理または代行ですから、その結果問題が生じたとしても(普通は生じません)、責任は全て住職にあるだけです。

全国の住職さん、これからは最低限の法律の知識が無いと、寺院運営はできないですよ。

ちなみに代理と代行は天と地ほど違います、詳しくはこちらをどうぞ。

改葬代行サービスは価値があるか ウェブで調べて検証してみる平成28年11月12日更新 平成28年11月14日再更新 平成28年11月22日再々更新

 

それでは過去帳の説明から。

過去帳のスタイルは寺院によって異なるんですが、一般的には以下の内容が書かれています。

戒名

俗名

死亡年月日

行年(享年)

祭祀者または祭祀承継者との関係

その他

 

墓籍簿の説明です。

墓籍簿を備えなければならない根拠はこちらです。

 

墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年五月三十一日法律第四十八号)

第十五条  墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、省令の定めるところにより、図面、帳簿又は書類等を備えなければならない。

2 前項の管理者は、墓地使用者、焼骨収蔵委託者、火葬を求めた者その他死者に関係ある者の請求があつたときは、前項に規定する図面、帳簿又は書類等の閲覧を拒んではならない。

第十八条  都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員に、火葬場に立ち入り、その施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は墓地、納骨堂若しくは火葬場の管理者から必要な報告を求めることができる。

2 当該職員が前項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、且つ関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。

 

この「図面、帳簿又は書類等」が墓籍簿です。

詳しくはこちらの過去ログをどうぞ。

墓地台帳(ぼちだいちょう)ってお寺がつくるんですか平成27年12月18日

 

ポイントを再掲します。

きちんと厚労省の通達にあるんですよ。

生衛発第1764

平成1212月6日

      都道府県知事

指定都市市長

中核市市長         殿

 

厚生省生活衛生局長

墓地経営・管理の指針等について

 

墓籍簿等の帳簿の管理が適切に行われていること

 

墓籍簿というのは、お墓の使用権者と墳墓の所有権者が誰で、誰と誰が埋葬されているかということが書かれた帳簿です。

 

法令に関する文書を見ても、一般の方には分かりにくいですね。

実物をお見せします。

これはある自治体の公営霊園の墓籍簿の書式です。

微妙な違いはあっても、ほぼ全ての自治体で同じです。

なぜなら雛形を国が作成しますから。

 

もう一つ、通達とありますね。

法律以外にも、政令、府令、省令、規則、庁令、条例、規則、要綱、例規等、通達を含め公文書や行政文書がたくさんあるんです。

この辺の詳しいことはこちらの過去ログをどうぞ。

分骨証明書の書式を変更しました平成29年3月26日更新

 

話を戻しますが、過去帳には墓籍簿の要の情報が書かれています。

墓籍簿としては不足の情報もありますが、それは檀信徒名簿他で代替できます。

 

もちろん過去帳の最大の目的は宗教的なものです。

それを書いた過去ログがこちらです。

永代供養と永代供養墓は意味が違います平成29年3月24日更新

 

ポイントを再掲します。

ご不幸ができました。

菩提寺の住職に葬儀をしてもらい、菩提寺にあるお墓に埋葬します。

住職は過去帳に記載します。

 

改葬や離檀で遺骨を移した場合、住職は過去帳から抹消します。

後で経緯が分かるように、二本線等で消して、「○年○月○日、改葬」のように記載をします。

 

過去帳に記載されている限り永代供養になります。

どの寺でも過去帳に記載された方全ての供養を毎日しています。

曹洞宗のお寺ならば、朝課(午前中の読経)でしています。

「祠堂諷経」と言います。

これが永代供養です。

 

かほど寺院にとって大切な過去帳ですが、過去帳を巡る人権問題はたくさんあります。

そのほぼ全てが、人の良い住職が騙されて、人権問題の当事者となってしまった事例です。

 

曹洞宗宗務庁も必死に対応しています。

最近驚くべき事例を宗務庁からの文書で目にしました。

 

 

ポイントはこの部分です。

「調査官の中には、過去帳には布施収入等が書き込まれていると勘違い」・・・( ̄  ̄;)

 

税務調査の権限の範囲は厳密に定められています。

国税庁のHPにでています。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/zeimuchosa/120912/01.htm

 

ポイントを引用します。

(質問検査等の対象となる「帳簿書類その他の物件」の範囲)

1-5 法第74条の2から法第74条の6までの各条に規定する「帳簿書類その他の物件」には、国税に関する法令の規定により備付け、記帳又は保存をしなければならないこととされている帳簿書類のほか、各条に規定する国税に関する調査又は法第74条の3に規定する徴収の目的を達成するために必要と認められる帳簿書類その他の物件も含まれることに留意する。

 

その法令とはこちらです。

国税通則法(昭和三十七年四月二日法律第六十六号)

どこをどう読んでも、過去帳が該当するとは考えられません

 

そもそも「墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年五月三十一日法律第四十八号)」で、調査権があるのは「都道府県の当該職員」だけです。

税務署の職員にはどの法令を見ても、過去帳をみることのできる職権はありません

 

なぜこんな無法がまかり通ろうとするんでしょう?

そもそも基本の宗教法人法に以下の条項があります。

宗教法人法(昭和二十六年四月三日法律第百二十六号)

(この法律の目的)

第一条  この法律は、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。

2  憲法で保障された信教の自由は、すべての国政において尊重されなければならない。従つて、この法律のいかなる規定も、個人、集団又は団体が、その保障された自由に基いて、教義をひろめ、儀式行事を行い、その他宗教上の行為を行うことを制限するものと解釈してはならない。

 

全ての法令で最も重要な部分は、普通第1条に書いてある(この法律の目的)です。

立法の趣旨と言います。

どんな法令についての裁判でも、どちらにしようか迷うときが必ずあります。

その場合、裁判官は必ず立法の趣旨を基準に判決を下します。

このことは憲法に記載されています。

日本国憲法(昭和二十一年十一月三日憲法)

第七十六条  すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

○3  すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

 

良心に従ひ」即「立法の趣旨」なんです。

 

曹洞宗宗務庁は「寺院住職の適切なご判断と行動を要望する」との立場ですが、たまたま高庵寺住職は僧侶としては法令に詳しい方です。

大半の僧侶はこの過去ログのレベルです。

お寺の墓地の一画に石屋さんが管理している墓地がある平成29年5月23日

ところが、実際には、宗教法人の代表役員の中には、宗教法人法の内容をよく知らない方がいらっしゃるようです。」ヾ(^^)

実際はほとんどです。

 

曹洞宗宗務庁には、個々の住職に丸投げをするのではなく、国税庁ときちんと話し合いをしてもらいたいものです。

 

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