30年音信不通の父が亡くなった 相続放棄の予定だが 父の預金で葬儀費用を支払って良いの?平成29年10月28日更新

 

なんどかご紹介している日本最安(かけねなしです)のブログからです。

タイトルと違って38年でしたが…

嫌々始めた葬儀の仕事・・・人生とは摩訶不思議2014-06-03

 

ポイントだけ引用します。

38年前、家業倒産で蒸発した父親逝去の知らせが八王子裁判所から届く(突然の手紙、遺言書開封立ち会いか委任状を書けとの趣旨文)

この事例では葬儀も終了し、遺骨も散骨が終了した時点での連絡でした。

普通は大問題になるところが全て終了した段階で知ることになったという、恵まれた(失礼な表現ですが)状況です。

 

この事例まで恵まれた事例は多くないと思いますが、たいていの場合は生活保護葬で遺骨になった状態で知ることが多いのが普通です。

遺骨を引き取る方も多くないようで、行政がしかるべき措置(たいていは孤独死の方のための合祀墓への納骨)となります。

遺産も負の遺産が多い場合が普通なので、相続放棄の手続きをしてお終いというパターンが一般的です。

 

問題は葬儀前、あるいは危篤状態、入院する時点で連絡があった場合です。

葬儀費用については過去ログで一度書いています。

親の財産がマイナス 相続放棄を前提にして 葬儀費用を親の財産から支払っても相続放棄の申述は認められるか?平成28年1月26日更新

 

身近な例でいくつか知っていますが…

みなさん同じことを言われています、言葉遣いに違いがあるだけです。

「故人がどのような人生をおくっていたのか分かりませんので…」

ほぼ相続放棄になります。

 

上記過去ログでも書きましたが、葬儀費用に限っては判例があります。

 

大阪高等裁判所平成14年7月3日決定

ア 葬儀は,人生最後の儀式として執り行われるものであり,社会的儀式として必要性が高いものである。そして,その時期を予想することは困難であり,葬儀を執り行うためには,必ず相当額の支出を伴うものである。これらの点からすれば,被相続人に相続財産があるときは,それをもって被相続人の葬儀費用に充当しても社会的見地から不当なものとはいえない。また,相続財産があるにもかかわらず,これを使用することが許されず,相続人らに資力がないため被相続人の葬儀を執り行うことができないとすれば,むしろ非常識な結果といわざるを得ないものである。

したがって,相続財産から葬儀費用を支出する行為は,法定単純承認たる「相続財産の処分」(民法921条1号)には当たらないというべきである。

イ 葬儀の後に仏壇や墓石を購入することは,葬儀費用の支払とはやや趣を異にする面があるが,一家の中心である夫ないし父親が死亡した場合に,その家に仏壇がなければこれを購入して死者をまつり,墓地があっても墓石がない場合にこれを建立して死者を弔うことも我が国の通常の慣例であり,預貯金等の被相続人の財産が残された場合で,相続債務があることが分からない場合に,遺族がこれを利用することも自然な行動である。

そして,抗告人らが購入した仏壇及び墓石は,いずれも社会的にみて不相当に高額のものとも断定できない上,抗告人らが香典及び本件貯金からこれらの購入費用 を支出したが不足したため,一部は自己負担したものである。

これらの事実に,葬儀費用に関して先に述べたところと併せ考えると,抗告人らが本件貯金を解約し,その一部を仏壇及び墓石の購入費用の一部に充てた行為が, 明白に法定単純承認たる「相続財産の処分」(民法921条1号)に当たるとは断定できないというべきである。

相続放棄の申述が認められる可能性が高い

 

葬儀費用に限っても、弁護士の方の意見にはバラツキがあるんです。

もっとも妥当だと思った意見です。

 

相続放棄の申述があった家庭裁判所の裁判官が最終的に判断することであり、預金を下ろし葬儀費用の支払をすることは、形式的には、単純承認とみなされる財産の処分にあたると言える行為ですので、相続放棄はできないと判断する裁判官がいないとは限りません。

その場合も相続人自身に葬儀費用を出せるだけの十分な資産、預金があることを考慮要素とする裁判官がいるかもしれないです。

ですから、相続放棄を認めてもらえないかもしれないというリスクを伴う行為ではあることは間違いないと思います。

 

引用元はこちらです。

https://www.bengo4.com/c_4/c_1050/c_1597/b_308272/

 

私も上記過去ログで同じような結論を書きました。

借金まみれの親の葬儀、直葬(実質遺体の処理)で行えば、葬儀社選びをきちんとすれば、20万円弱で可能です。

ここから先はあなた次第ですが、私ならばそのためにリスクを犯すことはしません。

 

相続についての民法の条項はきちんと押さえておく必要があります。

第886条(相続に関する胎児の権利能力)

1  胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。

2  前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

 

第887条(子及びその代襲者等の相続権)

1  被相続人の子は、相続人となる。

2  被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

3  前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

 

第889条(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)

1  次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

一  被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。

二  被相続人の兄弟姉妹

2  第887条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。

 

第890条(配偶者の相続権)

被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第887条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。

 

民法第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

 

民法第921条(法定単純承認)

次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。

一  相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条 に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。

二  相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。

三  相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

 

第939条(相続の放棄の効力)

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

 

サイトで調べていくと、分かり易く断定的な表現が上位にきます。

たいていはライターが書いた表現で、だいたい合っているんですが、間違いも多いんです(◞‸◟)

高庵寺住職も後で間違いに気がつくこともけっこうあります。

 

例えばこの過去ログです。

再婚や離婚等の場合 納骨できないのトラブルは良くあるんですよ平成27年5月3日更新

 

財産は国庫に入ります。

この表現で正解なんですが…。

正確には「最終的には財産は国庫に入ります」です。

 

前回のブログできちんと書いたんですが、民法を見ればはっきりします。

民法第951条

相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。

いったん財産そのものを法人とするんですね。

簡単に言うと帰属の一時棚上げです。

その後、親族や利害関係者の申し立てにより、家庭裁判所が選任した相続財産管理人が、相続財産について整理、精算し、残った相続財産を最終的に国庫に帰属させることになります。

 

基本です。

相続放棄を前提とする場合、故人の財産には一切手をつけてはいけません。

もちろん存命中に本人の意思により行うのは別問題です。

なぜなら遺産ではありません。

 

葬儀も行政にお任せするか、あなたのお金でするかどちらかです。

入院の保証人にもなってはいけません。

あなたの人生もあります。

保証人になるのは責任を引き受けるということです。

 

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