住職が突然辞めた 寺はどうなる? 寺終いの時代平成29年11月25日更新

 

住職が突然辞める、実はけっこうあるんです。

高庵寺住職も困り果てた方からの相談を受けたことがあります。

といってもアドバイスのしようがないんですが…

 

なんどかご紹介している東京の葬儀屋さんが動画で回答をしていました。

この動画です。

 

うーん、この方はよく分かってらっしゃいますね。

一番のポイントは、そのお寺が住職にまともな給料を払えるかどうかなんです。

 

これも何回か書きましたが、お布施等は宗教法人(寺です)の収入で、住職個人の収入ではありません。

ごく一部の営利事業をされている経済的に豊かなお寺を除くと、お寺の収入は全てお布施です。

 

住職、護持会費を強制で毎年5千円取られているんだけど…

うーん、確かに強制ですよね。

護持会費は過去ログできちんと書いていますので、よく分からない方はこちらをご覧ください。

寺院護持会ってなに? 知っているようで知らない護持会平成26年9月22日更新

 

お寺でも収益事業(営利事業)をしている場合は法人税がかかります。

大都市部では地代収入が数億円などというお寺もあります。

この収入は税金がかかります。

 

ほとんどのお寺では、お布施や護持会費やお賽銭等の収入しかありません。

名目は色々でも、税法上は全て「寄付」になります。

収入がいくらあろうと非課税になるわけです。

 

会社などに税務調査がはいる場合は、法人収入の脱税が主な調査対象になります。

大半のお寺では収入がそもそも非課税ですので、税務調査の対象は限られます。

はっきり書くと一種類しかありません。

本来法人に入るべき収入をごまかして、住職個人の収入にしていないかだけが調査対象になるんです。

個人の税務調査は非常に困難なんですが、法人の税務調査の方が簡単ですからね。

 

まとめると、お寺の収入は非課税ですが、住職個人の収入はお寺からの給料になり、普通の会社員と同じで源泉徴収の対象ということです。

 

これも過去ログで書いたんですが、お寺を維持するのにはお金がかかります。

会社を維持するのにお金がかかるのと同じです。

マンション坊主の経営学 坊主丸儲けなんて昔の話です平成28年9月15日更新

この過去ログで書いたように、マンション坊主が安いお布施でもやっていけるのは必要経費が圧倒的に安いからです。

 

結論として、大半のお寺は住職に給料が支払えない、つまり経営が成り立っていないのが現状です。

高庵寺住職が定年間際まで教師をしていたのもお寺から給料がもらえなかったからです。

糞掃衣(ふんぞうえ)の身である高庵寺住職 清貧な生活で寺を必死に支えています平成26年9月9日更新

 

この過去ログでも書きましたが…

高庵寺住職は役員報酬0円で頑張っています。

もちろん、短期間です。

生活の原資は、定年3年前まで勤めた県立高校教師の退職金ですから。(霞を喰って生きていくことはできません)

余談ですが、数年前に同期の方が退職して愚痴をこぼされました。

「○○(住職のことです)、3年前に退職したお前より、俺の方が退職金が低いんだから嫌になっちゃうよ」

もうすぐ、共済年金を受給できます。

 

ご安心ください。

現在は共済年金で暮らしています。

 

それでも先代の住職よりは経営状況はましでした。

私の父も教師をしていましたが、教師の給料をお寺に入れてましたから…

つまり、私の父はお寺から給料をもらうどころか、お寺に寄付をしていたわけです╮(_)

 

私や父の時代は、僧侶が公務員をしているのは普通でした。

今は難しいですねえ。

公務員が人気職種になっちゃいましたから。

 

構造は実に単純なんです。

経営が成り立っている寺は住職の希望者がいるが、経営の成り立っていない寺は住職のなり手が無い。

つまり、動画のような「住職が突然失踪」みたいなことが起きちゃうわけです。

 

そういうお寺はどうなるかというと、兼務住職のお寺になるわけです。

住職、兼務住職ってなに?

 

うーん、改めてサイト内検索をかけましたが、きちんと書いてないですなあ。

普通は住職ができるのは一つのお寺です。

なぜなら、そのお寺に住んでいなければ住職じゃあありません。

 

もっとも例外はあります。

寺院墓地の選び方 専任住職がいることが最重要です平成29年9月22日更新

この過去ログに書いたんですが…

住職の最大の仕事はお寺にいることですが…

大都市部では、専任住職であっても、寺に住んでない住職もいるんです。

専任住職であればあまり心配はいりません。

 

お寺の経営が成り立ってない。

公務員にもなれない。

どうしよう(_)

そうだ、お寺が1つだから経営が成り立たないんだ。

これから3つ一緒に経営しよう( ̄ー ̄)

 

これが兼務住職です。

どこか1つのお寺に住み、残りのお寺は仕事があるときだけ行く(ま臨時のアルバイトみたいなもんです)・・・( ̄  ̄;)

 

実際には上手くいきません。

3つのお寺の経費が減るわけではありません。

経営が成り立たないお寺が3つになるだけです。

 

住職、うちのお寺の住職は3つお寺の住職をやっていて生活できてるよ。

( ̄∇ ̄;)、本務寺(住職が住んでいるお寺)はちゃんとしていても、兼務寺はどうですか?

 

実に単純な理屈です。

分かり易くモデルを設定しましょう。

 

A寺、B寺、C寺の3ヶ寺の住職をしているとします。

3ヶ寺の経営状況は全て同レベルです。

分かり易く、3ヶ寺とも収入は1千万円、支出(維持経費)も1千万円とします。

 

収入=支出ですから、経営は成り立ちません。

3ヶ寺とも住職は給料がもらえません。

3ヶ寺を纏めて経営しても、収入が3千万円、支出も3千万円で住職が給料をもらえないのは同じなんです。

 

じゃあなぜこのモデルでも経営が成立するか?

住職が住んでいるA寺はきちんとメンテする必要があります。

B寺とC寺は住んでないので、支出を減らすことが可能なんです。

その代わりお寺は荒れますよ。

兼務寺(住職のいない寺)になったら墓地は荒れます平成24年9月13日更新

 

B寺とC寺の支出を500万円ずつにすれば、1千万円のお金が浮きます。

それで、楽々住職の給料が賄えます。

 

実際はこんな単純ではありませんが、理屈は同じです。

最大の問題は、本務寺の檀家さんは良いんです、兼務寺の檀家さんの不満が凄いことになるんですよねえ╮(_)

兼務寺からの離檀者続出のパターンになることが多いんです。

 

ほとんどの宗派で大問題になっています。

経営が成り立たないので、住職のなり手が無い寺はいっぱいあります。

しょうがないので、近くのお寺の住職が止むを得ず兼務します。

 

酷い場合(実は最近このパターンが多いんです)は住職不在です。

宗教法人は代表役員がいないと成立しないので、たいてい檀家の代表が代務者(きちんと解説するとブログ1本分になるので省略、ようするに臨時代理みたいなもんです)になります。

代務者のハンコで決算は可能です。

ただし坊さんじゃないので、葬儀や法事はできません。

必要に迫られたとき、近隣の住職にお願いして、その場しのぎをするわけです(_ _|||)

こんなお寺は消滅目前です。

 

一方、本山には様々な事情で、住職をするお寺の無い僧侶がいます。

この僧侶が住職になってくれれば無事解決ですが???

そりゃどう考えても無理です。

経営の成立しないお寺の住職を希望する僧侶などいません。

 

会社に置き換えても同じですよね。

儲かっている会社の経営者になりたい人はいくらでもいますね。

大赤字で社長の給料も払えないような会社の経営者になりたい人はいません。

 

分かり易く、必死に頑張っている(悲惨の一言です)僧侶の実例にリンクを貼っておきます。

4ページにわたってますから、全部読んでくださいね。

週刊朝日の記事です

寺の収入年3万円! “モグリの坊主”にもなった住職の過酷な生活

 

一部引用します。

離婚して、子どもとも離れてしまって一人暮らし。その日に食っていくだけで手いっぱいですよ

いやあ泣けてきますねえ。

自らすすんで離婚をされたのではなく、収入が無いので見捨てられたようです(;;)

 

今はただ、寺の存続のためだけに生きる毎日だという。

うーん、他人ごとだとは思えません。

 

私の代で終わりだろうね。(集落にいる)おばあちゃんたちが亡くなれば、お寺を残す意味もなくなる

そうなんです。

寺終いの時代なんです。

 

どうしましょう?

実は解決方法はあるんです。

それを書いていると長くなるので、この点については次の機会に( ̄+ー ̄)

難問山積で簡単じゃあないんですが…

 

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