法律から考える 麻原彰晃の遺体って 誰のもの? 追記有り平成30年7月10日更新

 

まず一番基本の法律です。

(祭祀に関する権利の承継)

第897条  系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

 

お墓や仏壇だけでなく、遺体や遺骨も相続財産になります。

「遺体や遺骨も相続財産」については、異論をみたことがありません。

つまり「麻原彰晃の遺体」は相続財産です。

 

同じく民法です。

(相続開始の原因)

第882条 相続は、死亡によって開始する。

 

つまり、麻原彰晃の死刑が執行されたことにより、既に相続が開始されています。

ということでニュースです。

7日から時系列で、追っかけます。

 

死刑が執行されたオウム真理教の教祖だった麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚の妻らが、東京拘置所に安置されている遺体の引き渡しを求める要求書を上川法務大臣らに提出したことがわかりました。

この要求書は、松本智津夫元死刑囚の主任弁護士を務めた安田好弘弁護士が明らかにしたもので、妻のほか6人の子どものうち、長女と四女を除いた4人の連名だということです。

引用元:http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3415853.html

 

妻のものになるか?

そう簡単ではありません。

遺体は相続財産ですが、一般の財産と異なり民法897条で規定されているからです。

 

相続方法が特殊なんで、わざわざ「相続ではなく承継」と一般的ではない用語を使用しているくらいです。

前条の規定にかかわらず」とあるのは、前条民法896条に普通の相続方法が規定されているからです。

 

(相続の一般的効力)

第896条

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

 

なんか分かりにくいですね(_ _|||)

しょうがないんです、法律の条文は可能な限り解釈が異ならないように工夫する必要がありますからねえ(ー ー;)

 

ようするに、「法定相続人等の一般的なルールは適用されませんよ」ということです。

民法897条を読むと、最優先されるのは「被相続人の指定」です。

つまり麻原彰晃が「俺の遺体は○○が弔ってくれ」と指定していたら、指定された人が最優先です。

 

妻等の請求理由「遺体の引き渡しを求める要求書」の順位は2番目なんです。

この部分です、「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継」。

現在では、慣習で妻が祭祀承継者として認定される可能性が圧倒的に高いのです。

妻のほか6人の子どものうち、長女と四女を除いた4人の連名」とありますから、「被相続人の指定」が無い限り、法務省が引き渡しを拒むのは不可能です。

 

7月7日のニュースに「拘置所の担当者から、麻原元死刑囚が妻以外の人を遺体の引き取り人に指定したとの説明を受けた」の記述がみられます。

 

なかなか続報が無かったんですが…

9日のニュースです。

フジテレビ 社会部・平松秀敏デスクは、「実はきょう(8日)も、四女側の弁護士が東京拘置所を訪れて、遺体の引き渡しについての手続きが進められているんです。それを見ると、妻や三女側に遺体を引き渡すつもりはないような動きに見えるんですね。仮に家族の間で、考え方の食い違いが今後も続けば、松本元死刑囚の遺体の扱いをめぐって、法廷闘争になりうるんじゃないかと」と話した。

引用元:https://www.fnn.jp/posts/00395948CX

 

松本元死刑囚の遺体の扱いをめぐって、法廷闘争になりうるんじゃないか」なりません。

遺体ではなく遺骨になります。

なぜなら、遺体の保存は今の季節では1週間くらいが限度だからです。

 

既に「四女側の弁護士が東京拘置所を訪れて、遺体の引き渡しについての手続きが進められている」ということですから、火葬にし、その後民事訴訟の可能性が高いです。

 

9日のニュースに出ていました。

関係者によると、遺体を引き渡す相手は決まっていないものの、四女側、妻側双方を含む遺族全員が麻原元死刑囚の火葬には同意しているため、東京拘置所が主体となって火葬を行う。

引用元:https://www.sankei.com/affairs/news/180709/afr1807090002-n1.html

 

まあ遺体がもたないのは常識ですから、火葬自体に反対する関係者は皆無でしょうが…

 

実は具体例があります。

原因は遺族の反対ではありませんが…

東日本大震災の事例です。

信頼できるリンク先です、担当者のストレスは…

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphn/5/1/5_47/_html/-char/ja

 

訴訟になると、法務省の判断も争われるでしょうねえε〜( ̄、 ̄;)ゞフー

「遺灰を四女に」死刑執行の直前、松本元死刑囚は担当刑務官に、遺体の引き渡しについて、口頭でこう伝えていたことがわかっている。

刑務官が嘘をつく必然性はありませんから、おそらく事実です。

被相続人の指定」に該当しますから、遺骨は四女側に渡される可能性が高いです。

 

法務省側の対応に全く問題はありませんが、裁判になれば「遺灰を四女に」の事実関係が争われます。

被相続人の指定」があったことを立証するのは法務省側になります。

麻原彰晃の直筆の文書や録音は無いでしょうから、立証は担当刑務官の証言だけになります。

 

遺骨の所有を巡る裁判んって、数は多くないと思いますが実際にあります。

高庵寺住職も実際に相談を受けました。

内容は裁判終結後の改葬についてですが…

裁判に1年以上かかり、ようやく遺骨の権利を取得された方が、改葬を希望されて、埋葬先の住職とトラブルになった相談です。

そのとき、この手の裁判も面倒で時間がかかるということを知りました。

 

アップ前の最新のニュースです。

9日、火葬された松本 智津夫元死刑囚。

死刑直前、本人が四女に渡してほしいと言った遺骨をめぐり、今、対立が起きている。

 

実は、遺骨をめぐっては、松本元死刑囚の親族の間で対立が起きている。

妻との間にもうけた、4人の娘と2人の息子。

松本元死刑囚は、刑の執行直前、担当刑務官に対し、遺灰を四女に引き渡してほしいと伝えたという。

 

フジテレビ・社会部の平松秀敏デスクは、「なぜ四女を選んだのかというのは、ちょっとわからない。ただ、そういう事実はある。拘置所の規定からすると、本人の意志が最優先されるらしいので、このままいくと、四女側に遺骨が渡る」と話した。

意思表示は口頭でよく、サインなどはいらないという。

 

法務省は、松本元死刑囚本人の意思を受けて、遺骨を四女に引き渡す方針で、四女の代理人である滝本弁護士らと調整を進めている。

しかし、当の四女は、遺骨を持つことに身の危険を感じるため、しばらく東京拘置所で保管してほしいと申し出たそう。

引用元:https://www.fnn.jp/posts/00396022CX

 

うーん、しょうがないでしょうなあ(・ω・`)………..

遺骨の所有権の法的知識なんて、普通の人は全く知らなくて当たり前です、たとえ記者の方でも。

 

拘置所の規定からすると、本人の意志が最優先」、これは最初に書いた民法の規定です、「被相続人の指定」が最優先されるんです。

 

意思表示は口頭でよく、サインなどはいらない」、これも民法の規定です。

民法897条にある指定は口頭でも良いとされているんです。

 

お金等の一般の財産だと、口頭での指定はもっと条件が厳しくなります。

(死亡の危急に迫った者の遺言)

第976条

疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。

 

遺骨等の祭祀財産の場合は、最初に「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」とあるように、遺言の成立条件は遥かに緩いんです。

拘置所の規定」は、当たり前ですが法務省の管轄ですから、民法上正しいんです。

 

ということで、結論に変更ありません。

遺骨の所有権は、裁判になる可能性が高いです。

ただし「慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める」、慣習の問題ではなく「指定の有無」の争いです。

管轄する裁判所はどこになるんでしょうねえ???

 

追記

 

最新のニュースです。

法務省は家族間での話し合いを待って最終的に判断することにしています。

 

最初からこの結論にすべきでした。

民法897条には文章としては書いてありませんが、この条項の真の意味はこれです。

「遺族間で、話し合いで円満に決めてね、どうしてのダメなときは家庭裁判所で調停するよ、最後は家裁が判断するけど、あまり好ましくないんだよね」

祭祀の承継は本来当事者同士の合意で決めるものなんです。

 

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