父の後妻 我が家のお墓に納骨しなければいけないの? 実母が嫌がると思うんですが平成30年7月20日更新

 

祭祀の承継の問題です。

詳しくはこちらの過去ログで解説しました。

法律から考える 麻原彰晃の遺体って 誰のもの? 追記有り平成30年7月10日更新

 

ポイントだけ再度解説しましょう。

 

麻原彰晃の遺体(正確には遺骨)を4女と妻で争いになっています。

法務省の現時点での判断は「家族間での話し合いを待って最終的に判断する」です。

 

1、 麻原彰晃の遺骨は相続財産です。

2、 相続法は他の財産と異なり、民法897条で決まります。

 

実際の遺骨やお墓の問題になったとき、法律云々は好ましくないのですが、最終的には法律を正しく理解することが非常に重要になります。

その法律です。

(祭祀に関する権利の承継)

第897条  系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

 

民法897条の正確な意味を知るためには、墓埋法を知る必要があります。

墓埋法にも「遺骨は誰のものか」は書いてありません。

 

実は墓埋法の条項は関係ないんです。

法律って、条項も大切ですが、「立法の趣旨」と言われるものが非常に大切なんです。

参議院法制局のコラムにリンクを貼っておきます。

ポイントはここです。

それ自体は具体的な権利や義務を定めるものではありませんが、裁判や行政において、他の規定の解釈運用の指針となります。

 

当たり前ですが、裁判までいかなくとも、実際の問題で「こういう行為は、法律のこの条項に当てはまるか?」という判断は普通にあります。

弁護士さんの判断を紹介するサイトでも、実際の問題に関して、弁護士の見解が正反対というのは普通なんですよ。

 

では「遺骨は誰のものか」問題で、墓埋法の立法の趣旨を見てみましょう。

「第1章     総則」の第1条、つまりトップにあります。

第一条 この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。

 

民法897条には書いてありませんが、遺骨(祭祀)の問題も「国民の宗教的感情に適合」が大前提なんです。

その観点から民法897条を解釈すると…

「遺族間で、話し合いで円満に決めてね、どうしてのダメなときは家庭裁判所で調停するよ、最後は家裁が判断するけど、あまり好ましくないんだよね」

祭祀の承継は、本来当事者同士の合意で決めるものなんですよ( `дー´)

 

さて、ここからが本論です。

仮定のモデルを作りましょう。

Aさんの母親は若くして亡くなった。

父親が再婚した。(再婚相手をBさんとします)

Aさんの父親が亡くなった。

Bさんには直系血族及び兄弟姉妹はいない

 

同じような相談をいくつも受けています。

よくある話ですねえ。

Aさんの気持ちは、Bさんは単なる父親の後妻です。

気持ちのうえでは完全に他人です。

 

Aさん自身も、Aさんの親戚も、BさんをA家の墓に入れることなど論外です。

 

まずAさんとBさんの関係を法律から確認しましょう。

これは簡単です。

姻族1親等です。

 

分かりやすく図をお見せします。

 

お父さんが亡くなった後、赤の他人に戻ることも可能ですが…

離婚の場合は自動的に終わりなんですが…

死別の倍は「姻族関係終了届」が必要です。

 

民法(離婚等による姻族関係の終了)

第728条 姻族関係は、離婚によって終了する。

2 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

 

ご覧のように提出先は自治体の窓口ですから超簡単ですが…

生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示」とあるように、Bさんは「姻族関係終了届」を提出できますが、Aさんはできないんです。

 

モデルケースのような場合、たいてい「姻族関係終了届」の提出はありませんから、姻族1親等は最後まで継続するのが普通です。

 

まずお葬式の前に、扶養の問題を見ていきましょう。

扶養の問題は民法です。

 

(扶養義務者)

第八百七十七条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

 

法律上は曾孫も該当しますが…

実際には、子、孫、兄弟姉妹、つまり血族2親等までです。

AさんにBさんの扶養義務が生じる可能性はほぼ0です。

つまりモデルケースでは、Bさんの扶養義務者はいません。

 

もっとも実際のケースでは、お役所から「Bさんの面倒を見てもらえませんか」の問い合わせはたいていあります。

簡単に拒否できます。

もしAさんがBさんを本当の母親のように慕っていれば、養子縁組をされるでしょうから、扶養義務は生じます。

お役所も無理だと思っていても、職務上仕方なしに問い合わせをしてくるだけです。

 

では財産の相続はどうでしょうか?

 

第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。

2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

 

第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。

二 被相続人の兄弟姉妹

 

血族でない限り相続人になれません。(遺言による場合を除く)

 

つまりAさんがBさんの遺産を相続するためには、正式な遺言書でAさんをBさんの相続人に指定してもらうしか方法はないんです。

 

お墓に納骨の問題は簡単です。

民法897条にあるように、お墓や仏壇他、お父さんが亡くなった時点でAさんが相続(法律用語は承継)しています。

つまり既にAさんの所有物になっています。

 

自分の所有する家に、誰を住まわせるかは所有者の権利です。

同じくAさんの所有するお墓に、納骨するかどうかはAさんの自由にできます。

このケースの場合、納骨を簡単に拒否できます。

 

ただし、実際にはけっこうもめる場合が多いのも事実です。

 

経験した事例では、上記ケースのような事例で、葬儀を執り行ったNPO法人が高庵寺にあるAさんに当たる方の墓地への納骨を求めてきました。

高庵寺住職としては、まずお墓の所有者のAさんの了解を得たうえで話し合いに応じると回答しました。

当然ですが、Aさんの段階で終了です。

 

トラブルの防止のため、このようなケースではBさんはAさんのお墓に納骨できないことを、Bさんに伝えておくとともに、文書として残しておくことをお奨めします。

Bさん本人は承知していても、孤独死になる場合が多いですからね。

 

相談があった事例では、Aさん、Bさんとも了解をしていて、Bさんの遺骨は菩提寺で永代供養墓への納骨という予定になってました。

ところがBさんは菩提寺の活動に熱心に参加しており、住職に「A家のお墓に入れない」と愚痴をこぼしていたようです。

菩提寺の住職が驚くべきことにA家の墓への納骨を強力にプッシュしてきたんです。

 

法律的にはAさんの権利が絶対的に正しいんですが…

Aさんが突っ張れば、菩提寺との関係は完全に壊れます。

 

私のアドバイスは、「あくまでもAさんの意思を通す代わりに、Aさんのお墓を改葬する」か、「菩提寺の住職の言い分をのむ」かの2択ですよです。

世の中、正論が常に通るのなら楽なんですが…

理屈と実務はイコールではないのが現実です。

 

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