遺体を肥料に(_)2019.5.8

 

ニュースの内容です。

 

米ワシントン州の州議会で21日までに、人間の遺体の堆肥(たいひ)化を認める法案が可決された。

ジェイ・インズリー州知事が署名すれば来年5月1日に発効する。

同州では死去した住民らの埋葬は火葬もしくは土葬が普通。

州議会のジェイミー・ペダーセン上院議員が起草した新法は、人間の遺体を土に早く変容させる方法などと表現した。

 

堆肥化の埋葬方法を手がける企業「Recompose」のカトリーナ・スペード最高経営責任者(CEO)はCNNの系列局「KIRO―TV」の取材に、堆肥化のための最初の施設を建設する企業になることを期待。

堆肥化については「遺体をわらや木片などの自然の材料で包む。約3〜7週間すれば微生物の活動の効果で土に変質する」と述べた。

 

過去ログでも書いたんですが、火葬にした遺骨は数十年では絶対に土に還りません。

火葬の骨はなぜ土に還らないか

ポイントを再掲します。

 

骨の成分のメインはリン酸カルシウムでこれが約70%と言われています。(情報の出どころが学術論文ではないので、自信はありません)

次にタンパク質が約20%。

残りの10%は水です。

 

土葬にすると微生物に有機物は分解され、スカスカの無機物が残ります。

これがいわゆる土葬の遺骨です。

主成分は上記に書いたようにリン酸カルシウムです。

 

リン酸カルシウムというのは、石灰岩や大理石の主成分炭酸カルシウムと同じように、酸性の水に少しずつ溶けます。

それで遺骨が土に還るんですが…。

 

日本の歴史を見るとほとんど土葬でした。

ただし火葬も行われていたんです、それも大昔から。

ちゃんとした学術資料にリンクを貼っておきます。

京都府南部の縄文社会

縄文時代の火葬の遺骨がまだ残っています。

 

比較対象は塩(塩化ナトリウム)です。

20度の水100ccに塩が何グラムくらいまで溶けるかというと35.89gです。

 

一方骨の主成分リン酸カルシウムというと…

なんとたった0・002グラムですw( ̄▽ ̄;)wワオッ!!

つまり骨は塩に比べて約18000倍も溶けにくいんです。

 

どういうことかというと、1kgの塩を地面に撒きます。

薄くまけば、雨の日なら1日で完全に溶けちゃいます。

北関東の冬だと、強風に吹き飛ばされると思いますが、乾燥しているので雨が降らなければ当分の間溶けません。

 

動画で陸上散骨を探しましたが、無いですねえ。

やっと見つけたので貼り付けます。

前半が海上散骨で、後半に出てきます。

いずれもパウダーにしてからの散骨だということが分かります。

 

この陸上散骨が塩だったとして、何日で土に還るでしょうか?

雨が降れば数時間ですが、数日かかるでしょうねえ。

一応1日としましょう。

 

先に書いたようにパウダー状の遺骨の溶けにくさが約18000倍ですから、18000日です。

つまり約50年ということになります。

実際には数年で見えなくなると思いますが、完全に土に還るのは約50年ということです。

 

これが1kgの岩塩をカロートに入れたら、完全に溶けるのに何年かかりますかねえ?

 

これは納骨が終わってカロートの蓋を閉じている動画です。

少なくとも北関東では雨水がカロート内に入ることは通常あり得ません。(欠陥施工の場合を除く)

ということは湿度で溶けますから、早くて数年でしょうねえ。

計算しやすく1年とすると、火葬した遺骨が土に還るのは、なんと18000年後ということになります。

実際にはもう少し短くとも、数千年単位です。

 

高庵寺の改修や改葬でお墓を解体したとき、土に還った遺骨(遺骨の細片が少し見つかります)は、だいたい100年以上の前の遺骨です。

つまり高庵寺では、「土葬の遺骨が肥料にできるくらいに土に還る」のに100年以上必要だということです。

 

堆肥化の埋葬方法」とは土葬の一種です。

その意味では日本をはじめ、多くの国で行われてきた一番普通の埋葬法です。

自然に還す埋葬法ですから、一番自然な葬送法です。

 

日本で火葬が爆発的に増えたのは戦後です。

高庵寺の過去帖で調べると、昭和22年以降は、土葬はありません。

それ以前は土葬がありました。

 

こちらの過去ログで書いておきました。

「死後の行き場がない」イスラム教徒が悲鳴

 

例外として、昭和22年に土葬が行われています。

ということで、高庵寺では100年では、普通の土葬では「堆肥化の埋葬方法」は不可能なんです。

 

実はニュースの内容で驚いたのはこの部分です。

約3〜7週間すれば微生物の活動の効果で土に変質する(@_@)

もしガセでなければ驚愕の方法です。

 

普通に土葬すると、数年で遺骨だけになります。

つまり血肉は土に還ります。

残った遺骨を別のお墓に改葬する埋葬法が沖縄にはあります。

 

この遺骨だけになるのに数年かかるそうです。

血肉どころか骨までだと100年単位です。

それを「約3〜7週間」、驚愕の方法です。

高庵寺住職にはガセとしか思えないんですが…

 

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