典礼権について平成30年5月29日更新

 

高庵寺墓地に埋葬するためには、高庵寺住職、またはこれに準ずるものが葬儀を行わないと、埋葬できません。

ほとんどの寺墓地では同じなんですが…

菩提寺の住職に葬儀を依頼しなくとも、埋葬できる寺墓地も一部にはあります。

 

実は誰でも自由に埋葬できる墓地の場合は、税金がかかる場合があるんです。

詳しく説明する前に、「誰でも自由に埋葬できる」と書きましたが、お墓の持ち主以外はどんなお墓でも絶対に埋葬できませんよ。

他人のお墓に埋葬は絶対にできません。

 

寺墓地に埋葬するときに、葬儀のお布施や、納骨のお経等お金がかかりますね。

また、高庵寺もそうですが、お墓の維持費として毎年お金を払っているはずです。

因みに高庵寺では護持会費といっています。

高庵寺墓地管理規則で2年間滞納すると、お墓の持ち主としての権利を消失します。

 

これらのお金は全て非課税です。

国税庁のHPにでています。

お布施、戒名料、玉串料等の葬儀、法要等に伴う収入は、宗教活動に伴う実質的な喜捨金と認識されているものですから、課税の対象とはなりません。

法律上は、お布施も墓地管理費も、「宗教法人への寄付」扱いになるんです。

 

寄付(強制)を払わないと資格を失うというのも変な感じでしょうが、払わなくともよいということになると、お寺の経営が成立しません。

結局は実質的な倒産になりますので、お墓の持ち主も困ることになりますので、このルールは合理的なんです。

 

今日のポイントです。

お墓の維持費は年間1万円(高庵寺の例です)だから支払うが、葬儀のお布施が100万円と高い(高庵寺は40万円です)。

そんなお金支払いたくないから、葬儀は派遣の僧侶で安く(10万円くらいの派遣会社が多いようです)済ませ、埋葬する。

そんなことができるかです。

 

結論から先に書くと、できるお墓とできないお墓の両方があります。

もちろん、高庵寺のお墓では絶対にできません。

その根拠が典礼権なんです。

 

20年以上前になるんですが、ある新興宗教が、葬儀は自分たちの宗教で行い、埋葬は菩提寺のお墓にしようとしてトラブルが多発した時期があったんです。

将に上記の問題ですね。

当然、裁判も多発しました。

 

地方裁判所の段階では判例はけっこう割れたんです。

 

根拠となる法律です。

墓地・埋葬等に関する法律(一般的には墓埋法と言います)です。

第一条      この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。

第十三条  墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない。

 

この「正当の理由がなければこれを拒んではならない」を盾にとって、埋葬をごり押ししようとした事例が多発したんです。

お寺の方もこれを許すとお寺の経営が立ち行かなくなります。

最終的にお寺が実質倒産となり、檀家様全員に迷惑がかかりますから、必死に抵抗しました。

現在はこの問題は非常に少なくなっています。

「無くなった」と書けないのは、非常識な一般の方もいますし、法律に弱いお坊さんも多いんで、未だにトラブルは少しあるんです。

いくら法律に弱くとも、法人の経営者ですから、住職として失格ですけどね。

 

非常に少なくなった最大の理由が、以下の判例です。

平成8年10月30日、東京高裁

「寺側が自らの「典礼権」を行使しようとするならば、「墓地使用規則」に明記しておかねばならない。」

 

最新の判例です。

 

宇都宮地方裁判所平成24年2月15日判決

判例タイムズ1369号208頁

 

主文

 被告は、原告に対し、別紙物件目録記載の墓地内の別紙図面の墓地区画への無典礼の方式による別紙遺骨目録記載の遺骨の埋蔵を妨害してはならない。

 

理由

 本件墓地は寺院墓地であり、その墓のほとんどは浄土真宗本願寺派の典礼に従い使用されてきたことが認められ、原告の祖先が被告との間で本件墓地使用権の設定を合意するに当たっても、被告の定める典礼の方式に従い墓地を使用するとの黙示の合意が成立したものと認めるのが相当である。

 しかしながら、本件墓地使用権を承継した者が異なる宗派となった場合にまで上記の黙示の合意の拘束力が及ぶかどうかについて、これを定めた墓地使用規則はなく、また、その場合にも被告の典礼の方式に従うとの慣行があったことを認めることもできない。以前は、いくつかの異宗派の者が、その宗派の定める典礼の方式により本件墓地内に墓石を設置し、遺骨を埋蔵していても、被告が寺として異議を述べた事情は認められない。そして、原告も、浄土真宗本願寺派とは異なる題目の墓石を設置し、法名の授与を受けずに遺骨を埋蔵していたものである。

 以上によれば、上記の黙示の合意の解釈として、本件墓地使用権を承継した者が異なる宗派となった場合に、その者に対し被告の属する浄土真宗本願寺派の典礼の方式に従うことを求める効力があるとするのは困難であり、その者が浄土真宗本願寺派とは異なる宗派の典礼の方式を行うことを被告が拒絶できるにすぎないと解するのが相当である。

 

この裁判では、寺院境内墓地において、菩提寺住職に葬儀を依頼しなくとも、埋葬できました。

一見すると、寺院境内墓地において、菩提寺住職に葬儀を依頼しなくとも、埋葬できると典礼権を否定しているように見える判例ですが…。

これを定めた墓地使用規則はなく」が主因です。

つまり典礼権の否定ではないんです。

 

簡単に書くと、典礼権を基に「俺が葬儀をやらないと、あんたの家のお墓でも埋葬させないぞ(下品な表現ですが、分かり易く書きました)」と住職が拒否するためには、「寺側が自らの「典礼権」を行使しようとするならば、「墓地使用規則」に明記しておかねばならない」という、当たり前の判決なんです。

明文化されてない規則は、単なるマナーです。

大半の人が守っているマナーを平気で踏みにじるのもどうかと思いますが、大金が絡んでいますからねえ。

住職が明文化された規則を正式な手続きで決定し、それを檀家全員に周知徹底する、法人の経営者として最低限のお仕事ですよ。

 

蛇足ですが「正式な手続き」の意味を正確にご存知ですか?

うちの寺は檀徒総会で決定したから、誰にも文句は言わせない( ̄ー ̄)

 

( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、裁判になると負ける可能性が高いですよ。

大金が絡む権利関係の規則です。

宗教法人法にある責任役員会で議決し、議事録に責任役員の署名捺印(もちろん実印ですよ)が必須です。

 

会社の場合、このレベルの内容だったら、最低取締役会で同様の手続きが必要です。

場合によっては株主総会の議決が必要なんですよ。

 

これまた蛇足ですが、檀家の権利は株主のような経営に直結する権利はありません。

檀徒総会は株主総会とは全く違います。

学校のPTA総会と同レベルです。

お寺の経営に関する決定を議決できないんですよ。

 

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平成26年3月31日を以て全ての整備工事が竣工いたしました。

今後数十年間に亘り、寄付の要請は一切ありません。

日本唯一のユニバーサルデザインの寺、安心してお墓をお求めください。

 

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