ある勧募の申し出 万灯供養 貧者の一燈 そのお気持ち 涙がこぼれるほどありがたいお気持ちです 仏縁に感謝平成22年11月26日更新

 

最近になって、何人かのお方から、「亡くなった父の、亡くなった夫の」言い方は異なれど、ご逝去されたお身内の名前で勧募ができるかとのお問い合わせがございました。

ありがたさに涙がこぼれる思いです。

なんども書いておりますが、高庵寺では、現在、境内・伽藍の全面改修工事を行っております。

本堂だけはどうしてもバリアフリーにできませんが、本堂正面の向拝の所まではバリアフリーになります。

それ以外は全てバリアフリーとなります。

法要堂を建立いたしますので、ご法事から墓参まで、車椅子で可能となります。

そのために、勧募のお願いをしておりますが、時節柄、檀信徒の方に大変なご負担をおかけしております。
金額に関係なく、お申し出は有難いところです。

そんな折、そのようなお申し出です。

お話をお伺いすると、お話の中に、故人を想うお気持ち、故人のためお寺に少しでも恩返しをしたいというお気持ちが、伝わってまいります。

感謝、このことば以外思い浮かびません。

仏教(もちろん曹洞宗も)の法要の中に、万灯供養という法要がございます。

ご覧になられたことのあるお方も多いと存じます。

京都の化野念仏寺の万灯供養が有名ですが、

他にもこの法要を行われているご寺院様はたくさんございます。

残念ながら高庵寺は、周囲が人家に囲まれているため行っておりません。
ただ住職は、個人的には盂蘭盆会の法要では、最も好きな法要です。


というのも、法要の荘厳な雰囲気もさることながら、この法要が曹洞宗に広まるにあたり、住職が安居した新潟県の大栄寺が深く関係しているせいもございます。


縁あって、新潟県大栄寺専門僧堂冬中結制安居にて、法幢師大栄寺専門僧堂堂長川口賢龍大和尚に就いて、首座まで務めさせていただきました。

大栄八十八世 川口賢龍老大師書 住職に付与されたもの 「泰紀」が住職の名前です
皆様はこの法要のいわれをご存知でしょうか。
この法要は、さまざまな経典に登場する「貧者の一燈」からきております。

 

むかし、古代インド・マガダ国の阿闍世王が、お釈迦さまを招待したとき、お釈迦さまの帰り路を萬燈で照らして供養しようと考えました。そこに、物乞いで生きている老女がいました。老女はこの供養の話を聞くと、自らの生活をかえりみて、仏に燈明を供養して、その功徳にあやかろうとしました。そして、一日物乞いして得た一銭を投じて、油を買おうとします。すると油屋は「お婆さん、一銭だけの油を買ったって、すぐに燈明は消えてしまうけど、どうするんだい?」と聞きました。すると、老女は自ら思うところをありのままに話しました。油屋はその話に感心しまた憐れんで、油の量を倍にして売りました。老女は喜び、得た油で一燈のみを献じました。その翌日、阿闍世王や他の者達が献じた萬燈はすべて消えていましたが、老女の一燈はあかあかと点いています。それを目連尊者が片付けるために消そうとしますが、なぜか消えません。目連は「神通第一」といわれ、超能力に優れた弟子です。その目連が必死に消そうとしても消えませんでした。お釈迦さまは「目連よ、そなたの神通力によっても、この燈は消すことができないのだ。なぜなら、この一燈こそ、真の布施の燈だからである」と言われました。この老女がその後、再びお釈迦さまを詣でると、お釈迦さまは直ちに「老女は将来必ず成仏できる」と授記しました。老女が出家を願い出ると、お釈迦さまは快く受け入れて比丘尼と成したということです。」「つらつら日暮らしWikiより引用。


勧募のお申し出をされた方は一燈ではございませんので、ある意味失礼な例えかもしれません。


けれど、その尊いお気持ちは、まさにこの経典の内容そのものです。
その尊いお気持ちを大切に、高庵寺を少しでも良いお寺にすることが、皆さまのご恩に報いる道だと精進する気持ちを新たにいたしました。

後日談です。数日して、その内のお一人に勧募をしていただきました。
金額自体も大きな金額でしたが、それよりお話の内容に感激いたしました。


その方は、高庵寺の直接の檀家の方ではございません。
お父様が高庵寺に眠っておいでです。
お父様は生前、「家は貧しいので、お世話になっている菩提寺に十分なことができない。

できるようになったときは、自分の分までして欲しい。」とお話されていたとのことです。


「私も、何とか父の想いに応えたいと念願していましたが、なかなかその機会に恵まれませんでした。今回、このような形で父の想いに応えることができました。本当にありがとうございます」

勧募をしていただいたどころか、お礼まで言われてしまいました。

今のご時世です。

高庵寺にいらしていただいた檀信徒の方は、住職の行っている工事が、檀信徒に直接お役に立つ工事をしていることは理解していただいております。


まだ、全体の十分の一も終了しておりませんが、墓参がし易くなりました、本堂がきれいに使いやすくなりましたねとお褒めの言葉を頂戴しております。


それでも、勧募の状況は順調であるとは言えません。
志はおありでも、厳しいご家庭も多いと推察申し上げますので、やむを得ないところもございます。
住職も申し訳ありませんと心の中で感じながら、お願いしております。

そんな中での勧募です。
しかも、勧募をされた住職ではなく、勧募をされた施主の感謝のことばです。
お釈迦様の「この一燈こそ、真の布施の燈だからである」ことばそのものです。


住職の心の中にも、一燈が灯りました。
そしてこのような仏縁を頂けたことに、心から感謝いたしました。

 

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