親戚のお墓に無断で納骨したらどうなるか?平成30年5月21日更新

 

まずお墓の権利の基本です。

お墓の権利は、次の2つで構成されます。

1、お墓の土地の使用権

2、墳墓(土地以外の墓石、遺骨等全て)の所有権

この2つの権利を、同一の人が単独で所有します。

家屋のように、共同名義で所有ということはできません。

 

お墓の使用権の契約は「みなし墓地」を除いて民民の契約になります。

公営霊園の経営主体は地方公共団体ですが、契約自体は民法に拠りますから同じです。

したがって約款が重要になります。

公営霊園や民間霊園では約款はきちんとしています。

ただし「約款」という名称は少数派ですね、「使用規則」や「墓地管理規則」の名称が多いです、法的には約款です。

 

使用契約書を取り交わす前に一度持ち帰って熟読しましょう。

 

寺墓地の場合は、高庵寺(こうあんじ)のように、細部まできちんとした規則(約款)のある寺院は少数派です。

昔からの慣例でされているところが多いのが現状です。

それでも法的には有効なんですが、本日取り上げるような微妙な事例になるとお手上げです。

寺墓地を求める場合には、約款(使用規則等)がきちんとしている墓地を求めましょう。

 

知恵袋での相談なんですが、反対の立場からの相談、それもレアな相談が立て続けにありました。

甥が伯父(叔父)が使用権を持っている墓に、勝手に埋葬したケースです。

 

事例1

甥が寺墓地(使用権者叔父)の墓に承諾なしに埋葬したケース

 

事例2

甥が公営霊園(使用権者伯父)の墓に承諾無し、かつ墓地管理者に無届で埋葬したケース

 

事例1は甥からの相談なんですが、使用権者は権利の重大な侵害を受けていますが、甥に対して法的措置は一切取れないケースです。

墓地管理者である住職に、父親の葬儀等をしてもらい、火葬許可証(執行済みの証明のある許可証、誤用ですが普通は埋葬許可証と言っています)を提出しました。

 

ポイントである墓埋法です。

墓地、埋葬等に関する法律

第十四条 墓地の管理者は、第八条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。

 

注意するポイントは、この条文は埋葬をする人ではなく、墓地管理者への義務を書いた条文です。

罰則もあります。

第21条 左の各号の一に該当する者は、これを千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

一第3条、第4条、第5条第1項又は第12条から第17条までの規定に違反した者

非常に軽微な罪なんで、警察に訴えれば刑事上は厳重注意で終わりです、ただし民事訴訟のとき有効な証拠となりますので、必ず被害届を提出しましょう。

私のアドバイスは「トラブルが起きそうになったら、あなたが対応されるのではなく、墓地管理者である住職に対応してもらうようにお奨めします。」です。

 

事例2は伯父から相談なんですが、さらに悪質です。

1、 使用権者に無断

2、 墓地管理者に火葬許可証を提出しない

市営墓地です、いやあ強引ですね、納骨に僧侶と石屋が立ち会っています。

相談者の質問文の一部です、「市役所では納骨と認めていません」。

そりゃそうです、公務員が法律違反を認める訳にはいきません。

 

ものすごく不思議なんですが、高庵寺で同じことが行われたら、その石屋は即刻出入り禁止です。

公営霊園は一番厳しいはずなんですが。

 

高庵寺でも同じですが(高庵寺の手続きは公営霊園並にきちんとしています、権利証の発行が無いだけです)、使用権者以外の納骨のときは、同意書(日付、署名、捺印)の提出を義務付けています。

 

住職の回答の一部です。

墓地管理者に厳重に抗議して、原状回復を図られて下さい。

墓地管理者がなにもしない場合は、警察に被害届を出されてください。

あなたが「甥」の方を民事で訴えることは可能です。

墓地管理者を訴える方が遥かに簡単です。

そのために墓地管理費を払っています。

 

「墓地管理者に火葬許可証を提出しない」は墓埋法違反です。

警察に被害届をだすことになるんですが…

被害者はあなたです。

加害者はどなたでしょう?

 

もちろん不埒な甥です(ε´)

違うんですよ。

悪いのは全て甥ですが、法律違反をしたのは甥ではないんです。

法律違反をしたのは、納骨を阻止しなかった墓地管理者なんです。

墓地管理者」に「原状回復」の義務があるんです。

「市役所では納骨と認めていません」ですから、墓地管理者に勝手に納骨された遺骨を取り出させましょう。

 

市役所はその後困るでしょうねえ…

「不埒な甥」が、「申し訳ありません」と遺骨を素直に引き取ってくれれば良いんですが…

こんなことをする人が素直に受け取るとは限りませんからねえ_・`)

 

「市役所では納骨と認めていません」の発言は、面倒なことはしたくないの意思表示ですねえ。

担当者の「当事者同士で解決してくださいね、親族なんだから」の虫の良い思惑が透けてみえます。

私たちの払っている税金で飯を食っているお役人様です、義務を果たすのは当然です。

徹底して市役所を追求しましょう。

 

住職、「みなし墓地」の場合は、うーん、だいたい墓地管理者がいない墓地や、墓地台帳に登録してない墓地もありますからね。

取りあえず、自治体の「弁護士の無料相談」に応募して下さい。

 

住職、実力行使はできないの?

ケースバイケースなんですが、たいていは可能です。

火葬許可証を受け取っていたら無理ですが…(納骨を承認したことになります)

 

公営霊園の事例と同じです、「市役所では納骨と認めていません」。

つまり納骨ではなく、お墓の中に他人の所有物があるだけですから、それを取り出すのは法律上の改葬にはならないんです。

本人に引き取らせることは可能ですが…

本人が受け取らなかった場合は…

お手上げです。

 

使用権者の承諾なくして、そのお墓に納骨することは、明確に民法上の権利を侵害しています。

これは疑いの無い事実なんですが…

 

権利を侵害した者が原状回復をする(遺骨を取り出す)のも明確な民法上の義務です。

正式な裁判をすれば、被害者側が勝訴できるのは確実です。

有能な弁護士に依頼して裁判を起こせば、訴訟費用も含め相手に全額負担させることも可能です。

 

住職、慰謝料は?

はい、取れますが…

実例を知らないんで、確たることは言えませんが、確実に雀の涙でしょうなあ・・・( ̄  ̄;)

 

自分の所有する別荘があります。

使うのは年に数日です。

その別荘に甥が勝手に住み着きました。

別荘に行って初めて気がつきました。

この場合は「刑法第130条の住居侵入等罪」が成立しますから、警察に110番することで解決します。

またその間の経費(電気代他)にも「刑法第235条の窃盗罪」が成立しますから、民事上の訴訟も簡単です。

 

「使用権者の承諾なくして、そのお墓に納骨すること」は刑法上の問題は全く無いんです。

墓埋法上の問題もありません。

もちろん墓埋法違反ですが、納骨した人の違反じゃあないんです。

純粋に民法上の問題しかありません。

 

弁護士さんによって違うかもしれませんが、普通は「民法だい709条 不法行為による損害賠償」で訴訟を起こすことになります。

大変ですなあ(◞‸◟

法律が不備なんで(よくあることです)、被害者が泣き寝入りになることが多いんです。

 

墓埋法を含め、葬儀等に関する法律は性善説に立ってますからねえ┐(~~;)┌

 

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平成26年3月31日を以て全ての整備工事が竣工いたしました。

今後数十年間に亘り、寄付の要請は一切ありません。

 

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