お寺の数 30年後現在の3分の1に!平成30年4月23日更新

 

まず、いきなり引用からです。

僧侶と総代に将来を問う 妙心寺派が被兼務寺院調査 2014年7月23日

 

臨済宗妙心寺派は増加し続ける被兼務寺院の護持対策のため、宗派の約3分の1を占める正住職不在寺院の悉皆調査を進めている。兼務住職と総代おのおのに対するアンケート形式で、合併・廃寺を選択肢に含む将来展望の確認に重点を置く。

同派には兼務者を置かない無住寺院が28年前に168カ寺存在したが、無住寺院対策委員会で兼務任命、合併・解散を進めた結果、今年7月現在で無住は10カ寺前後(住職死去など一時的事情によるものを除く)に減少している。

他方、後継者難で正住職不在の被兼務寺院は年々増加し、2011年には千カ寺を突破。今年7月14日現在で1025カ寺を数え、兼務比率は同派3361カ寺中3割強に達した。この傾向は今後も続き、いずれ過半数に達するとの見方もなされている。

このため同派は今年4月、無住対策委内に専門部会を設置し、長期的に一貫した指針の策定に着手。基礎データ作りを目指し、被兼務寺院にアンケート形式の調査実施を決めた。悉皆調査は07年にも実施されているが、今回は兼務住職の他に総代(責任役員)を初めて対象に加えた。

兼務住職に対する質問では、土地建物の状況、法務の実情、檀信徒数の増減、寺門護持の見通しなどについて回答を要請。総代には檀徒から見た寺の経済状況や兼務住職の評価、檀家の状態の他、正住職就任の要不要、老朽化した堂宇修理の可否などで意見を求めている。

7月中旬でおよそ7割が回収されており、データを分析して9月定期宗議会に中間報告する運び。

 

わが曹洞宗だって似たような状況です。

住職の常駐なし1万3千カ寺 全国調査、過疎など影響 20170425

 

京都新聞の記事ですが引用いたします。

アンケートは、全国に2500以上の末寺を抱える規模の大きい10宗派と、京都府か滋賀県に100以上の末寺がある3宗派の計13宗派を対象に2〜3月に実施した。

末寺の数は合計6万2600で、全国の寺院の8割以上に当たる。

専任の住職が住んでいなかったり、他の寺の住職が兼ねていたりする「無住」「兼務」「代務」と呼ばれる状態の寺は計1万2964あった。真言宗智山派(総本山・智積院、京都市東山区)は末寺の約35%、臨済宗妙心寺派(大本山・妙心寺、右京区)は約32%、国内最大の曹洞宗は約22%が該当した。

 

全国の寺院の8割以上」ですから、ほぼ実態です。

 

高庵寺の属する曹洞宗栃木宗務所第7教区(栃木県の曹洞宗寺院の足利市内全てと一部市外)にも兼務寺院(住職が常駐していない寺院)がいくつかあります。

2割よりは少ないです。

当たり前ですが、財政状況の良い大都市部は極端に少なく、過疎地域では住職のいる寺院の方が少ないくらいです。

その第7教区内でもっとも実態の酷い寺院です。

 

現在の画像です。

後ろに見える山の感じが同じですね。

なんにもないんですが、法人格は残っています。

 

なぜ法人格が残っているか?

宗教法人を解散するのはかなり大変で、お金もかかるんです。

詳しくはこちらの過去ログで書きました。

宗教法人の事実上の解散平成28年6月12日更新

 

上記寺院、代表役員はいるはずです。

誰も知りません。

法務局の登記簿で調べても分からないと思います。

 

え! 住職、登記簿で調べても分からないことってあるの?

はい、そうです。

登記簿を見れば代表役員に「○○○○」氏の名前が載っているはずです。

だいぶ前に亡くなりました。

 

この宗教法人を解散させるためには、新代表役員の登記、または代務者が必要ですが…

やる人はいないですよねえ(ー ー;)

単立宗教法人ならば、やる人がいる可能性はあります。

当然、悪事を働くためにやりますが(; ̄ー ̄A

 

上記の寺は曹洞宗のお寺なんで、曹洞宗の任命する住職でないと代表役員になれません。

曹洞宗の住職になって、代表役員になり、その後で単立化し、悪事を働くことは可能ですが…

曹洞宗の住職になるって大変なんです。

詳しくはこちらの過去ログで説明してあります。

○○寺の住職は 黄色い衣で 金糸銀糸のお袈裟なのに 住職はなぜ いつも地味な衣に 地味なお袈裟なのですか?平成30年4月15日更新

 

 

お金も数百万円かかります。

しかも「安居」が曹洞宗は超厳しいんです。

 

これをやるわけですから。

私の長男(高庵寺副住職)が修業の内容をブログに書いています。

修行僧の涙目な日々

なかなかコミカルに書ていて面白いですねえ。

実態はものすごくきついです。

ご参考までに、修業中の後半には僅かばかりの給与を支給されていました。

時間給に換算すると、時給約70円です╮(_)

 

若い修行僧の場合は、年数も半年から3年ですから我慢できますが…

こういうことも普通にあります。

 

高野山の僧侶の労災を認定 宿坊の連続勤務でうつ病に 2018/4/6 共同通信

「40代の男性僧侶」ですから、修業ではなく完全に就職ですね。

となれば、ブラック企業ではなく超ブラック企業ですなあ。

 

実は今回のブログは数年前にアップしたブログの再アップです。

ただし、全面的に書き換えています。

特にこれから記す内容は、固有名詞は書きませんが、可能な限り具体的に書いています。

時間が経って、ある程度書いても関係者の迷惑にならないと確信したからです。

本当のタイトルは「住職勤続45年 70歳の住職が突然退任 退職金3千万円は妥当か?」です。

 

最初に結論を書きます。

国税庁のHPに退職所得控除額の計算方法がでています。

「勤続45年」ですから、以下の計算式になります。

800万円+70万円×(勤続年数−20年)

つまり非課税枠は2,550万円です。

 

簡単に書くと、「勤続45年」ならば、退職金の2,550万円は最低額だと国が認めているわけです。

ということで、妥当である、というよりは少し少ないかなという感じです。

因みに所得税は「3,000万円ー2,550万円=450万円 450万円×0.2」ですので、90万円です。

ご存知と思いますが、退職所得は確定申告の義務はありません。

退職所得の所得税は確定申告をした場合、還付される場合の方がむしろ多いのです。

 

亡くなった私の父の場合です。

住職在職年数は55年弱です。

ということで、上記の計算式に当てはめると、3,180万円まで退職金は非課税です。

まあ、きりが良いところで退職金3千万円、所得税0円が普通でしょう。

実際の退職金は0円です。

 

なぜでしょう?

実に簡単です。

法人(高庵寺)に退職金を支払えるお金が無いからです。

 

法人を運営していくのに、毎日の運転資金以外に、退職金等の積立金や施設設備等の更新の積立金他で、高庵寺レベルの宗教法人ならば、預貯金等で最低5千万円は必要です。

5千万円は本当に最低で、企業等の経営者から見れば自転車操業に近い金額です。

というのは、施設設備の全面改修に莫大な経費がかかるからです。

高庵寺の場合で、地震等で全てが壊れた場合、復旧費用はざっと3億円は越えます。

もちろん保険は入ってますが、本堂のような寺院建築の場合、実際の建てなおしの保険に入るのは非常に難しいのです。

 

そのような保険もあるようですが、建物の価値の判定が非常に難しいため、保険料はあまりにも高額になるため入れません。

極端な例として国宝を考えれば分かります。

足利市のお寺で、唯一本堂が国宝に指定されているお寺があります。

価値はいくらでしょう( ̄ー+ ̄)

 

さて、実際の相談の概要です。

相談のお寺は、いわゆる消滅可能自治体にあります。

65歳以上の高齢者が地方自治体総人口の過半数を占める「限界自治体」です。

開山は貞治年間で約650年続いた名刹です。(はっきり言って凄いです)

 

相談者の寺の檀家数は高庵寺とほぼ同じくらいです。

子どものいない70歳の住職が突然引退しました。

後任に兼務住職を推薦し、決まりました。

当たり前ですが、兼務ということで檀家は反対だったようです。

 

その兼務住職もたった1年で辞任しました。

そのたった1年しか就任しなかった住職が、前住職に「住職勤続45年 退職金3千万円」を支払ったという事案です。

 

その後どうなったというと、後任住職には包括宗教法人から一時的な住職が派遣され、40代の独身男性が修業に行き、終了後、新住職に任命されました。

正直、その新住職偉いと感じました。

曹洞宗ではないのですが、上記に書いたような修業を中年でするのはきついですからねえ。

 

正直に書くと、このお寺はまだ恵まれた方なんです。

相談者の方は寺の行く末を案じられていました。

確かにその通りなんですが…

こういう悲惨な実例もありますからねえ(* _ω_)

お坊さんの本当のお仕事は布教です平成30年2月1日更新

 

ちょっとだけ再掲します。

離婚して、子どもとも離れてしまって一人暮らし。その日に食っていくだけで手いっぱいですよ

いやあ泣けてきますねえ。

自らすすんで離婚をされたのではなく、収入が無いので見捨てられたようです(;;)

 

今はただ、寺の存続のためだけに生きる毎日だという。

うーん、他人ごとだとは思えません。

 

私の代で終わりだろうね。(集落にいる)おばあちゃんたちが亡くなれば、お寺を残す意味もなくなる。

 

涙なしには読めません。

ぜひ上記過去ログかから、リンク先をご覧ください。

 

「時給10万円」でもお坊さんが喜べない事情 日本の寺には問題が山積みだ! 20150805

東洋経済の記事なんですが…

 

ポイントを引用します。

曹洞宗の寺院収入(法人収入)は、平均で564万円

地方の人口が減ってその経済力が小さくなれば、寺も衰退する。

そこに葬儀の簡略化に見られるように社会の非宗教化が進めば、さらに打撃となる。

地方の過疎、顧客離れ、後継ぎ不足、顧客単価の減少。

こうして見ると、日本の寺が抱える課題は、内需依存の地方にある中小零細企業とそっくりである。

日本の寺は大きな危機に直面している。

 

法人収入564万円は絶望的な金額です。

個人の収入ならば564万円は十分ですが…

 

少し詳しく説明します。

お寺の収入が564万円で、住職の給料がいくら払えるかがポイントです。

 

まず粗利です。

宗教法人はサービス業に近いので、売り上げ原価はいくらでもありません。

仕入れは卒塔婆が一番大きいはずです。

それと高庵寺の場合は、庭の手入れがけっこうかかります。

大きな松が2本あり、植木職人に支払う経費は売上原価に含まれるのです。

それと意外にバカにならないのが、衣やお袈裟等の経費です。

ざっくり書くと、「収入が564万円」だと、粗利は500万円くらいです。

 

この500万円から、販売費と一般管理費を引くと営業利益になります。

一般管理費のうち、最大の人件費を0円として計算してみます。

住職、無茶苦茶ですねえ、はい無茶苦茶です(◞‸◟)

 

電気代、水道代は一般家庭の何倍もかかります。

なにせ個人じゃなく、法人ですからねえ。

高庵寺レベルだと300万円くらいは必要です。

実は一番きついのが包括宗教法人への宗費(上納金)等です。

詳しくはこちら。

包括宗教法人の内情と末端貧乏寺の住職の慨嘆平成29年6月24日更新

 

営業外収益と営業外費用は、普通はほとんどないので、お寺の場合「経常利益=営業利益」と考えても大丈夫です。

つまり、税引前利益ですね。

この後、純利益になります。

収益事業をしていれば法人税がかかりますが、そうでなければかかる税金は法人市民税等です。

高庵寺の場合は6万円です。

 

結論として、法人収入564万円だと、人件費や修繕費等に使えるお金はたった200万円しかありません。

はっきり言って、この200万円から人件費を捻出するのは無理です(-`ω´-)

毎年留保してしていても、30年で、たった6,000万円にしかなりません。

なにかあったら、お手上げです。

 

息子の修業したお寺が、昨年の台風で被害にあいました。

 

この修復でいくらかかるでしょうねえ…ρ(・ω`・、)

後ろに見える建物は「登録有形文化財」です。

もしこれが倒壊したら…

修復費用は完全に億単位です。

 

いざというときの内部留保金、普通のお寺で5千万円くらいは最低必要だの意味分かりました。

つまり、「曹洞宗の寺院収入(法人収入)は、平均で564万円」では住職に給料払えないんです。

住職に給料を支払うんだったら(経費を節約しても年収300万円くらいです)、なにかあったらお寺を捨ててどっかに行っちゃうしか方法はありません。

本当の自転車操業になります。

これが曹洞宗の平均的なお寺の実態です。

 

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